昨日、佐藤を家へ帰した後、屋上を丹念に調べ上げた。

しかし、滑車も、小型クレーンも、鏡も、糸一本すら、おおよそ考えつくトリックの材料は何一つ出てこなかった。

何かの仕掛けも、それを片付ける時間も無かったはずだ。


竹ぼうきも調べ上げた。

柄の部分が、非常に年季が入っているという以外は、普通にグラウンドの掃き掃除に使う竹ぼうきと何等変わりは無いようだ。

念の為、普通の竹ぼうきを持ってきて、比較もしてみた。