「えーっ、飛んだ方が早いのにぃー」

「ここから落ちたら大変な事になるぞ」

私は佐藤がまたがったままの竹ぼうきの柄を掴んで、その奇行を阻止した。

この屋上から地上に落ちれば、いろんな意味で大変な事になる。

「落ちませんよ」

それなのに、佐藤はこう唇を尖らせる。

その根拠は、何なんだ?

第一、さっきの事実を忘れているのか、このおかしな女生徒は?

私は、事実を彼女につきつけた。

「今、落ちたじゃないかっ!!」