佐藤に見えやすいよう、調理台の上に瓶を置いた。

彼女は調理台に手をかけ身を乗り出すように瓶をまじまじと覗き込んだ。

私は佐藤の頭の上から黙って、彼女と全く変化の無い瓶の様子を眺める。

1分少々経った頃だろうか、佐藤が瓶からその幼さの残る顔を私の方へ向けた。

「なんにも出てきませんね?」