「次へ行くぞ」

私はパソコン準備室を後にし、佐藤を振り返った。

すると、佐藤がにやにやと笑みを浮かべている。

「……なんだかんだ言って、優しいですよね? せんせって」

佐藤が小首を傾げ、私を見上げてきた。

彼女のその仕草と視線に居心地の悪さをおぼえる。

「許可なくされるよりましだ」

そう、私にとっては、当たり前の事をしたまでだ。