「増井が女なぁ...
ウチもそろそろ女作らな厳しいか?」
そういやバレンタインも
近いみたいやし……
増井とは入社した
時からの仲で
アホなりにマジメさん
やったもんやから
お互い
女無しシェフ
として最後には開き直って
「彼女無し」の事に対して
誇りさえも持っていたウチらやのに
「開き直ったところで結局.
寂しい事には変わらんな」
マンションのエレベーターは
一人ではやけに広く
睡魔と疲労に
徹底的に打ち負かされ
性欲も物欲も
すっかり麻痺した
ヌケガラ
なウチは
うつろな目をこすり
エレベーターを出て
渡り廊下を一人歩き
ウチの匂いのする
ウチの城のドアに鍵を差す
―――――………ブ――
ケータイの
かすかなバイブが
ウチの眠気を
かすかだが取り払う
ReReRe:
出会い系
――――――…おまえなぁ……

