****** 僕たちはきっと世界中の人たちを救うために生まれてきたんだ。 そう考えないと、怖くて眠れなかった夜がある。 “ユータ”という名前は、小さい頃、僕たちのお世話をしてくれていたおばあちゃんが特別につけてくれたものだ。 他にも僕と同じ年くらいの子たちがいたけど、おばあちゃんが名前をつけたのは僕一人だった。 「こんなにいい子なのに、名前がないなんて、可哀想にねぇ」 そう髪を撫でながらおばあちゃんが悲しそうな瞳でつけてくれた名前を僕は結構気にいっていた。