売店まであと少しだった。

それなのに――
昨日、ユウタと話をしていた男が正面から歩いてきた。

ビクンと、ユウタの体が強ばったのが分かる。

男は少し遅れて私たちの――
というよりは、ユウタの姿をとらえた。

ユウタは男から視線を逸らし私の方を見る。


「ゴメン。先に行っててくれる?」
「え? でも……」

「すぐ行くから」


傍にいたかったけれど、ユウタの声には拒否することのできない響きが含まれていた。

男はなにも言ってこない。
ただこちらをじっと、まるで観察するようにじっと見つめている。

私は仕方なくユウタの傍を離れた。