「あら? 今日はちゃんと病室にいるのね」


私が部屋でユウタを待っていると看護師さんが嫌味っぽい調子でそう声をかけていた。

安静にしていろと言われていたのに少しも安静にしていなかったせいなので仕方がない。

私は苦笑いで応じる。


「今日は友達を待ってるんですよ」

「友達?」
「はい」

「そう、それはよかったわね。でも、あんまり出歩かないようにね、明日は手術なんだから」


看護師さんはしっかり釘を刺すことを忘れずにそう言って、部屋から出ていった。

それから、数分後――


「芽衣」


ユウタが私の病室に飛び込んできた。
いつもの白い服に笑顔が眩しい。