「バレンタインデー?」
「そう。女の子が男の子にチョコをプレゼントする日だよ♪」
「チョコ?」
「えっ?クロ、チョコ知らないの?」
「…知らない」
「へぇ…魔界にはチョコって無いのかなぁ…。ま、いいや!食べてみれば分かるよ♪」
そう言って私が後ろに隠し持っていた箱を開け、中に入っていたチョコを半ば無理やりクロの口の中に放り投げた。
「うっ、何だコレ…甘ったるい………。」
「クロ、甘いの苦手だった?ビターにしたんだけどな…」
「…アイル……」
そう呟いたと思うと、いつの間にかクロにベットに押し倒されていた。
「ク、クロっ?どうしたの?」
クロードの顔は赤く、息も少し荒かった。
「だいじょう…」
そう言いかけた私の唇を、クロのそれが塞いだ。
…と思ったら、そのままクロは私の横に倒れた。
「え!?」
キスされたのも忘れてクロの様子を伺う。
「あれっ?ね、寝てる…?」


