「どうしよう…」
私は街の商店街のど真ん中で、立ち往生していた。
宿を飛び出して来たは良いが、問題は何を買うかだ。
商店街に来てまず最初に向かったのは、もちろん窓から見えたチョコの売店。
当然、チョコを買うつもりで来たのだから。
…それなのだが。
ある事を、忘れていた。
クロードが、チョコを食べられないという事を。
…話は遡ること、一年前。
「ねぇ、クロ?今日は何の日か、知ってる?」
「何の日だ?またあれか、俺とお前が出会った何周年記念とか、お前のトンジョウビ…だったか?まぁ、そんなことだろ」
「何よ、そんなことって。大切な記念日でしょっ!それに…トンジョウビじゃ無くて誕生日だし…」
「どっちでも良い…それより結局何なんだよ?」
「ふふふ…よくぞ聞いてくれました☆今日は…バレンタインデーですっ♪」


