パープルシャドー

やわぁ。順応するねん、どんな環境にも。感心するわぁ、ほんまに。あの娘から教わったんよ、私の生き方直そう思て。何処でも通用する思ってた私の考え直そう思て。だからミナミで通用してた、自由奔放な私を捨てることにしたんよ。ほんで、今度は仙台を私が、ほかしたんやなく、私が仙台からほかされよったんよ。私、もっと東にいってん。もっと東で勉強してから、エリカをみかえしてやろ思て。札幌にきてん。お天気お姉さんが、仙台より札幌の方が暑っていうてたから、札幌にきてん。仙台では、エリカにかなわんから今度は、札幌にきてん。札幌で一番になったろ思て、札幌の男はんをパープルシャドーで誘惑したろ思て。優しい関西弁で心の隙間に入り込んでやろ思て。ほんで、へそにピアスをしたんよ、私。へそピ、してんねん今。可愛いやつ。札幌の男どもに受けがいいねん、このへそピ。私、一ヶ月たらずで札幌ススキノので、一番になれたんよ。札幌に順応したねん。札幌の男どもはみな遊び慣れてはるから、私はなぁ、札幌でエリカになろ思ってん。遊び上手な男どもの心の隙間に入り込んで、エリカ見たいに男の気持ちをそそる女になるよう勉強したねん。名前も真理子捨てたねん。今は、私はエリカ。