パープルシャドー

今度からタイソンって呼んであげる。タイソン、元気ぃー。落ち込んでないで、甘ったるいカシスオレンジ飲んで元気だそう。乾杯ぁぃー、タイソン。明日があるさ、タイソン、ファイテングポーズとってタイソン。こうやって、両手構えて、パンチパンチパンチって」
「ひでぇべぇー。真理子ちゃん。タイソンだなんて。タイソンなんて言われたの、生まれて始めてだよ。ますます落ち込んじゃうよ、俺。本当にナイーブなんだから。引き込もっちゃうべぇ、俺」
「大丈夫よ、タイソン。その顔でキッと睨んでやったら、誰でもビビリはるから。ほんでついでに、こうやってファイテングポーズ。もうこれで決まりよ、タイソン。はい、こうやってファイテングポーズ、パンチパンチパーンチ」
「こうか、ファイテングポーズ、右、左、アッパー、パンチパンチ、パーンチ」「そうそう、タイソンおもしろーい。受けるよ、タイソン。上手上手。パンチパンチパーンチ」
「真理子ちゃん、やっぱ四十でタイソンは、辛いんだけど…出来ないべぇ、俺…」
「大丈夫よ、タイソン。ばっちり出来てるから。ファイトーファイト。ワンツーパーンチ」
「真理子ちゃんのパープルシャドーもきっついけど、言葉もきっついべぇー、