小さい其れは、勿論写真の技術がまだまだ発達していなくかなり見づらい。しかし朧げながらも木造の建物とその前に並ぶ数十人の男女の容姿は確認できた。

写真の下には『第四期 卒業』と記してある。


中央に十数名の子供達、その左右におそらく教員であろう男女の青年や熟年が数名いた。


「・・・私・・?!」


クミコは端に立つ教員らしき女性を指す。そこには確かにクミコと同じ顔をした人物が写っていた。
更に、少女達はクミコに続くように次々自分がいると主張しだした。もっとも、教員らしき者であったり生徒であったり、それぞれ違った立場ではあったが。
恐慌する一同をチグサとユキノがとにかく落ち着かせようと一旦近くの席に掛けさせた。

「わたくし達も初めて見た時は驚きましたわ。でもナガシマさんの話で・・すっかり忘れてました。ウフッ」

【オ、オレ様のせイ??!】


ニッコリ微笑むチグサに皆、なんだこの人の揺るがなさ!!と驚愕する。

「で。これはわたくし達、ですわよね?」


明らかに質問ではなく確認をナガシマにする。


寸時沈黙があった後、肯定の呟きが返る。