彼女達の生活拠点は少し郊外に位置している為、街頭班は電車で繁華街へと訪れた。
さすがに夏休み中は制服の若者は少ない。それもまた武器、とミチルとエリカは得意のオーラ?を振りまき歩く。

「なんかの宗教がらみとかだったら、やばくない?」

「可能性はありそうだけどねぇ・・あんなの尋常じゃないじゃないかぃ」

「あとはイリュージョン?とか・・ないか」


2人は小路に屯する集団に片っ端から声をかけた。殆ど逆ナンだと思われてばかりだが・・・。それにしてもまったくいい情報は手に入らず時間と共に気力が落ちていき、まるで地面にめり込んでしまいそうな程である。

仕方なく水分補給も兼ねて近くのファーストフード店に入った。出入り口の自動ドアが開いたとたん、足元から蘇える程の冷風が突き上げる。

「生き返るぅぅぅぅぅ!」

汗で張り付いた開襟シャツの僅かな隙間を冷えた空気が癒してくれる。まさに極楽だった。

2人は通り沿いの前面ガラス張りで主張する密接したカウンター席に腰掛け、ジュースのストローを弄りながら往来を見つめ続ける。
渇ききった喉を潤すには少し量が足りず、ストローの動きに合わせ砕かれた氷が虚しく音をたてていた。

そんな2人の耳に誰かの会話が飛び込む。