犬神さまのお嫁さま

 私は吐き出せるなら永遠と垂れ流せそうな希彦絡みの鬱憤をぐっと堪えて大人しく肩に担がれるお荷物役に徹した。



 「じゃあもう2度と楓になんかすんなよ。勿論お前がしなくてもなんかあったらお前のせいと見なして喰い殺してやるからな」



 担がれているので希彦の背中しか見えないが明らかに威嚇する声色だ。

 その声だけで射殺しそうなくらい鋭い目つきで睨む希彦の顔が想像出来る。


 …ごめんなさい佐々木先輩、自業自得だろうけど同情するわ。

 私は心の中で合掌すると後は大人しく希彦の肩にぶら下がっておいた。

 ああ、これで私に降りかかる火の粉は1つ払えたわ。