犬神さまのお嫁さま

 ふいに過ぎった場違いな感情を私は慌ててかき消す。

 心の中の慌てふためいているとさっきまで佐々木先輩を脅していた希彦がいきなりこっちに向いた。


 ひえぇっ!喰い殺される!!

 さっきまでの希彦の振る舞いを思い出し私はビクッと震えた。

 だけどそれは無駄骨でこっちを向いた希彦は別の意味でビックリするほど満面の笑みを浮かべている。



 「楓、もうこれで心配ないからな!」

 「は…はいぃ??」



 あまりの変わりっぷり私は上ずった声で問い返すと何故か気を良くした希彦が近付いた。