犬神さまのお嫁さま

 「見せろ」「見せない」の平行線な言い争いを溜息交じりに眺める。

 腕時計で時間を確認しようとしたところで希彦が「埒が明けねぇ!」と叫んでブチ切れた。


 その大声で私はぼんやりしていた思考を切り替える。


 希彦を見れば右足を高々と天井に向かって振り上げていた。

 天井と床に対して垂直に上げられた足に私とクラス全体が息を飲む。


 その姿に脳裏を過ぎったのは前にテレビで見たテコンドーの選手だった。

 確かテコンドーではカカト落としの事を――