犬神さまのお嫁さま

 「…近い!一番奥だ!」

 「ちょ…もうチャイム鳴る!!」



 希彦は脇目も振らず一番奥の3年1組の教室へ向かうと勢いよく教室後方のドアを開けた。

 ガラガラーッとドアが金属レールの上を走る音が聞こえそれと同時にチャイムが鳴る。


 どうやら既に朝のホームルームが始まっていたようで教室には3年1組の先輩方と担任の先生が席に収まっていた。


 急に開いたドアの音は勿論の事、飛び込んでた犬神に、そしてさらわれた村娘よろしく抱えられた私に、クラス中の視線が集まる。