犬神さまのお嫁さま

 私がビックリしている間に稀彦は走り始めた時の速度を維持したまま渡り通路を渡り切り階段を一気に駆け上がった。

 休憩を入れるどころか息も乱れていない。

 本当に何者なのあんたは!


 稀彦の恐るべき体力に驚嘆している内に辿り着いたのは北棟4階。

 北棟は基本的に3年生と特別教室しかない。

 私には3年生の知り合いはいないから殆ど来たことの無い場所だ。



 「希彦、結局どこに向かってんの!?ここ3年の並びだよ!」

 「あの画ビョウについてた匂い…こっちから匂うんだよ!」

 「はぁ?北棟まで匂いで追っかけて来たっての??無理でしょ!?」

 「この程度朝飯前だっつーの!犬神を舐めんな!」