犬神さまのお嫁さま

 この発情期男!

 よくこんなちょっかい出しながら私を担いで階段登れるわね!



 「希彦って呼ぶなら俺もお前の事、ちゃんと『楓』って呼んでやる」

 「わ、分かったから止めて…っ!ま、希彦!」

 「上出来だ、嫁…じゃない楓」



 『希彦』という言葉に満足したようで犬神は、――希彦は嬉しそうに私の名前を呼んだ。

 今まで散々『お前』だの『嫁』だのと呼ばれていたのに急に名前を呼ぶようになったので不覚にもドキッとした。

 も、勿論ときめいたわけじゃないから!ただビックリしただけ!!