「あっちゃーこれどうやって消そう」



 私は一人ごちりながら椅子を引く。

 見れば背もたれと座る部分にびっしりと画ビョウが張り付いていた。

 うぁあ、超古典。となると中も怪しいなぁ。


 そんなことを思いながら机を揺すってみたら期待を裏切ることなく不幸の手紙やらカミソリが零れ落ちる。


 …これ出るトコ出たら10:0で勝てるんじゃない?


 朝から憂鬱度120%の出来事に何度目か分からない溜息を吐いていると斜め後ろから白い手がにゅっと出てきた。

 その手の主は菜穂。

 手には除光液のボトルが握られていた。