美沙都はユルく巻いた髪の毛を指先でクルクルと遊ばせ、菜穂はいつものように文庫を読んでる。



 「ってちょっと!考える気あんの?!」

 「えーあるよー」

 「ないこともないわね」



 考える気なんて1ミクロンも垣間見えない言動に私は自分の机の表面をバンと平手でぶっ叩いた。

 その音でやっと2人が私に注目する。



 「考えてるなら犬神をどうにかする方法提案してよ!」

 怒鳴る私に2人がようやくフムと眉間に皺を寄せた。


 うーんと小さく唸る2人に私は希望の眼差しを向けて出てくる答えに期待する。

 しばらくして何かを思いついたように美沙都が「あっ」と声を上げた。