「お義父さんご心配なく。お義父さんの不在の間、僕がしっかりと楓さんもお義母さんも守りますから」



 言葉面と声は大変紳士で黄色い悲鳴が上がりそうな台詞だった。

 だけど、



 「また『義父』で『おとうさん』って言ったでしょ!アンタなんて認めてないんだからーーー!!」



 和やかにパパと電話する希彦を中段蹴りで蹴り倒して私は喚きながら家を飛び出した。



 今日で学校も終わり。

 明日から素敵な夏休みと思ったけど結局は地獄の夏休みの始まりだった。