「ママ!これどういうこ――」

 「楓ちゃん聞いて!!」

 「ひゃあああ!!」



 ドアを開けた瞬間、大号泣のママが突然目の前に現れそのまま私を抱きしめてきた。



 「ちょっとママ!何??また韓流ドラマ見て泣いてんの!?」

 「違うの楓ちゃん!聞くも涙、語るも涙なお話が現実に!!」

 「はぁ?兎に角落ち着いて!」

 「だってぇ~!!」



 まるで小さな子供のように泣きまくるママを宥めながら近くにあったティッシュの箱を取り渡した。

 ズビーっと鼻をかむ音が響き、ママの様子が少しだけ落ち着く。