「だからいい加減俺を受け入れろ!そして俺の子を孕め!」

 「そんなの受け入れられるかぁっ!」



 私に向って無理難題を言う男を渾身の力を込めてぶっ飛ばした。


 ぶっ飛ばされた男、―――先日転校生としてやってきた犬神希彦(いぬがみ まれひこ)はその苗字の通り「ギャン!」と犬のような鳴き声を上げて近くの机を巻き込み転がった。


 ガシャガシャーンと机や椅子のパイプがぶつかる音が木霊し、机の主である木内くんが涙目になるが私は見て見ぬふりをする。

 これは必要な犠牲!木内くん、あなたの事は忘れないわ!

 私は勝手に木内くんを亡き者にすると心の中で美しい涙を流した。


 過剰演出だけど。