え?

私は、先生の後ろに立っている人の顔をまじまじを見た。…少年?光の加減で、よく顔が見えない。
「…お、お前。俺はこの生徒に注意をしてただけだ。それの何が悪い…ッ!!」
先生は必死に言い訳をしようとしている。と、言うか真実だけど。

「…先生。この1年最初のテストの補習は、別に受けても受けなくてもよかったのでは?受けたい人だけは受けて、受けたくない人は受けない。その‘生徒’は、受けたくない、と言っていますが?なぜ先生は生徒の意思を尊重しないんですか?」

「うがーーーーーっ!!ばっばれた!!」

あれ、そうなの?私そんなこと一言も聞いてないよ…。じゃあ、先生は…私に……私に…?うわっ最悪な先生!!

「なぜ尊重しないんですか?」
「そっそれは……。」
「なぜ尊重しないんですか?」
「えっと…な、何の話か?」
「なぜ、尊重しないんですか?」
「うっ…ご、ごめんなさーい!!」

先生は少年のその言葉の力に負け、敗退。逃げた。なんという弱虫な先生だ。
「…大丈夫かな?あの先生、すごいから。色々な意味でね。」
そして、少年はそう言いながら私に歩み寄ってきた。やっと、光が反射しなくなり、少年の顔がやっと、見えた。
「あ…あぅ…?」
わかった。わかった。少年の顔が。
「あ…あなた、あああああなた…」
そうだ、わかったのだ。なのに声が出せない。声を発したいのに、出ない。そして、少年はにっこりと笑う。
「あなた?」
そう言う少年は…。

「…やっ……山の男の子!!」


「はい?」


……自分でもわかる。
少年の頭の中は、はてなマークで、いっぱいのはずだ。