次の日になった。
私はまだあの少年の事を忘れられない。と、言うか忘れることができない。
あの後、私は少年に発見されたおかげで無事、森から救出された。
その時の少年の「大丈夫だよ。」と言った笑顔がとても眩しくて……とても美しくて………。

あぁ………我が青春!!まだ16でよかった!!!

なーんて思っている私は能天気だ。
大体にして、まず最初に少年にお礼をしなければならない。しかし少年の名前を知らない。つい少年に夢中になり名前を聞くのを忘れてしまったのだ。このバカ野郎。
もしかしたら……幸せな再会っだったりして……。まぁ……また会えたとしても……何十年も先だろうが……。

私はお婆ちゃんになっていたりして…………?

最悪の場合は……あの世で!?

駄目だ。それって…ちっとも幸せな再会ではないじゃないか………ッ!!!

どうしようか…?でも、でも、でも……。
ぅ…。それは仕方のないことなんだな。名前を聞かなかった私が悪いんだから。こうなったら、何十年先でも、あの世でも、ドンとこい!!!

ふはははははははははは…はは……は。

あぁ…なんか虚しくなってきた。心が虚しくなってきた。そう、もう会えない。
会えないんだ。奇跡なんて、そう簡単に起こるのなら、それは「奇跡」なんかでは無い。
そうか…そうなのだ。
奇跡が私なんかに起こるはずがないじゃないか。不幸な私が。
そう、先生にパンチを喰らわせてしまった私が。走っていたら、いつもドブにハマってしまう私が。それで、洗おうと思い、家に帰っていたら、犬にかまれるわ、なんやらで…。



駄目だ不幸体質な私が、奇跡なんか起こせるわけない。