まるで私が押し倒したような形で、全くんが下敷きに。

自分のしてしまったことにドキドキしていたが、すぐに我に返る。


「あっ、全くんごめん、大丈夫っ?」




急いで私は起き上がったのだが、返事がない。


「全くん?…」


肩の辺りを軽く揺すってみる。
しかしやはり返事はない。



その時、

彼の肩を揺する私の手に、ぬるりとした生暖かい液体が触れた。

全くんの頭部から出てきたもののようだった。



月明かりと、職員室の明かりしか見えない、暗い夜の中庭。


全くんの頭の下には、とがった大きな石の感触。




石はみるみる黒く染まっていった。

周りの芝生にも、石の感触を確かめた私の手にも、生ぬるい液体が広がる。



混乱した頭の中、私にできたのは

狂ったような悲鳴を上げることだけだった――