「俺のために死ぬ星って、一体どういうことなんだ?」


…そんな事聞かないで。


「全くんを事故から救った女の人みたいに、命を賭けて全くんのこと見守ってる星だってあるよ。だって、宇宙はこんなに広いんだもん」



やだ。
これじゃあの星が全くんの探してた星みたいじゃん。


…でも、きっとこれで良かったんだ。

心なしか、全くんの表情が少し明るくなったように感じた。


これで、全くんはあの星の最期を見てくれる。

私が今まで生きてきた100億年を、証明してくれるような気がした。


私の存在証明――



ねぇ、全くん。
どうして私のこと抱きしめたの?
いつか教えてね。




立ち上がり、お尻の砂を払った全くんが、私に右手を差し伸べる。

私もその手を頼りに立ち上がった。



もう離さない。

苦しいことがあったら、一番最初に私に教えてね。


私達は、手を繋いだままゆっくりとコンクリートの階段を上り出した。