オリジナル・レイズ


桜の花びらが舞い、降りしきるその姿はあの日の雪に似ている。

星からこぼれるしずくではなく、

天使の羽でもない、



君をさらったまま

ただちらちらと舞う非情な粉雪に。




これからは、俺が彼を守って行くから


君は彼の心臓の中で、今はゆっくり休みなさい。



いつかまた、

君が新しい命となって俺たちと再会できる時



もう、悲しい過去を背負ってくるのはナシな。




すべてを忘れてきていいから


すべて宇宙の闇に置き去りにしてかまわないから




幸福な流星になって帰っておいで。






【オリジナル・レイズ】


-完結-