オリジナル・レイズ


――4月

ついに転入の日が来た。

入学願書締切より、大幅に遅れた転入手続だったにもかかわらず、

わざわざ新学期に合わせてくださったのだ。


自分の採用のことも含め、学校関係者の方々に、深々と頭を下げてお礼を述べる。




高遠は車椅子に乗り、教室でこう自己紹介していた。


「高遠全です。将来のゆめは、ツバサ星雲をみるために宇宙飛行士になることです」





HIVを完治させる薬は、未だに開発されていない。

でも、人が宇宙へ行く時代だぜ。

近い将来、完治する薬は絶対にできるはずだと俺は思ってる。



それまで、高遠、頑張ろうな。




大丈夫。

お前には、




神をも味方にした




奇跡の星が味方しているから。