それだけ言うと、看護師は会釈して出て行った。
「高遠、ちょっとテレビつけるぞ」
どうしても、宇宙の話には敏感になってしまう。
高遠も、興味のある視線を画面に投げる。
『こちらが発見されたばかりの惑星状星雲です。両側に広がるような翼の形に見えることから、ツバサ星雲と…』
「ツバサー?」
高遠が反応している。
「ツバサちゃんのこと覚えてるのか?」
確認しようと聞いてみたが、不思議そうに首をかしげるだけだ。
記憶の片隅には残っているのだろうか。
…良かったな、高遠。
ノートに宣言したとおりになって。
ツバサって名前つけるって言ってたもんな。
これからもずっと、
お前には、宇宙からのラブコールが届き続けるんだろうな。

