俺は気づいたら身を乗り出し、とても失礼なことを真顔で医者に訊いていた。
「特別支援学校って、教員足りていますか?」
特別支援学校の教諭を務めるためには、本来ならば別途、特別支援学校の免許が新たに必要だ。
しかし、元々高校教諭の免許を持っている俺は、当分の間免許を取らなくても、
特別支援学校で教師として働くことができる。
法律でそう決まっているのだ。
迷う必要がどこにある?
俺の中で、気持ちはすでに固まっていた。
俺が妹にしてやれなかったこと。
お袋が妹にしてやれなかったこと。
今、この俺の手であいつにしてやりたい。
俺は…
子供が大人になっていく瞬間にリアルで係ることができる、この仕事に憧れたんだ。
だから俺は、教師になったんだから。

