巷に溢れる資料の結論しか見ずに、同性愛者や麻薬の打ち回しなど、自分に関係のない世界の病気だと勘違いしていないか?


同性愛者の感染が多いのは、単純に性行為時に避妊具を使わないからだ。

だから避妊具を使わずに性行為をすれば、誰だって感染する可能性はあるんだ。


ピルを飲んでいるから避妊具を使わないという奴もいるかもしれないが、それは危険。

ピルではHIVをはじめ、いっさいの性感染症は防げないんだよ。




――ここまで話した途端、生徒達が一斉に手を挙げ、我先にと質問を投げ始めた。



…意外だった。


最初のうちは、どうせエイズについて熱く語るだけだろ、と誰も聞く素振りを見せなかったのに。

やはり高校一年生となれば、性に対して興味も不安もある微妙な年頃なのだろう。



皆が投げかける質問は、すべて性行為についてのことばかり。

まぁ、日本は性教育がなってないって散々言われているから、良いことなのかもしれないが…


答える俺が照れる。


しかし“命の授業”を設けた教師としては、怯んではいられない。