「どういうこと?ずっと二人で見てきたじゃん」


照れる全くんが愛おしくて、私はとぼけたフリをした。



『生きている証を残す』


目的がひとつあるだけで、こうも景色が違う。

すべてに意味があることを感じる。



「ツバサ、ありがとな」


ノートに何かメモしながら、囁く全くん。
私は首を横に振った。

だって、お礼を言わなきゃならないのは私のほうだから。


長すぎた100億年より、今の1分1秒がどれだけ意味のあるものか…

それは全くんとこうして過ごさなければ一生わからなかったことだ。

全くんが、私の人生で一番かけがえのないものになった。


死ぬ意味も、生きていく意味も、死んでまた生まれてくる意味も
まだよくわからないけど…


それぞれが、かけがえのないものなんだと言うことは、何となくわかる。



それは全くんのおかげ。