思えば、星の膨張の凄さに驚いて、私は全くんに怪我をさせてしまったんだ。

もう驚かないようにしなければ。


全くんが再度レンズを覗く。



「うっわ、なんかもう爆発しそうなくらいでかい」


「――爆発はしないよ」



そうだ。
私は爆発して終わるほど大きな星じゃないんだ。

自分自身の目で見るのは、やっぱり少し怖かったので、全くんの横に立ったまま私は言った。


「星の終わりには2つあるの。大きな星は爆発して、それこそ大きな最期を迎えるけど…あの星は小さい星だから、一度膨らんでも、また冷えて小さくなっていって、それで終わり」



説明しながら、空を見上げてみる。


驚いた。
肉眼でも赤く光っているのが見える。

私の生きている光が、この地球に届いている。


「…あの星も、もうじき死んじゃうんだろ?」


全くんがぽつりと言った


「生きている証を残してやりてえな…」