小さくうめき声をあげて疼くまってる事に、亮がこちらに気がつき、ズボンを半分降ろしたまま、こちらに近寄ってきた。

「おい!お前何するだよ!!」


「そう言う、あんたもうざいから」


そう言うのと同時に、そいつにも灰皿を振り落とす。



今のうちに逃げないと。




半泣きしてるリンカの腕を捕まえて、勢いよく廊下を走りだした。



すぐに、店員に出くわすとリンカがここぞとばかり助けを求め始める。


「お願い!やられそうなの助けて!」


「はぁ?マジで…だりぃんだけど?」


「あんた店員でしょ?」

たまらず、口を挟むとこの店員は、マジマジとこちらを見てからめんどくさそうに頭をかいていた。


「今度こそ、首決定だなぁ」



勢いよく後ろから、頭を押さえながら追いかけてくる男二人。


今捕まれば後が無いのは、解りきっていた。


「わりぃ。これ持ってて。」


店員は、私に銀色のトレンチを押し付けると…

途端に、目つきが変わったのがわかった。



本当に…



本当に…



瞬殺だったんだ。





追いかけて来た男が、二人…床に綺麗に倒れていたんだ。