シーザーは走った…
立ち止まると…別れが辛くなるからだ…
そして…早く…ライアに会いたかった…
風の力を駆使して走っていると…湖の辺りからの…風が変わった臭いを…運んできた…
「!?」
(…なんだ………胸騒ぎがする…………)
先を急いだ…
湖につくと…赤い光りに照らされたライアが横たわっていた………
近付くと…ライアの腹から…赤い液体が…ダラダラと流れ落ちている…
「ラ………ラ…」
声がでない………何が起こっているのかも…………わからない………
「だ……い…じょうぶ…」
「ラ…イア…」
シーザーは安堵した…
「今…城に運ぶから…」
ライアは悲しい目をして…首を振った…
「…わたし…たすからない…………」
「な…何でだよ…ぜ…全然…だ…い…丈夫だよ…まだ出血も………」
周りは赤に染まっていた…
「きい…て…!…!…わな………な…の…エルフ…が……わ…たし…おって…くる…………わた…し…女王…しっ…かく……………にげ…て………」
「…逃げ…ないよ…お前と…ずっと…一緒に…暮らすんだ………」
「………だ…め…」
ライアは最期の力で指を指した…指した先には……キレイな蕾をつけた…調度…シーザーくらいの背丈の大きな草が生えていた………
「何なんだよ…わかんねぇよ……なぁ………!!」
ライアを揺さぶるが…何も反応しなくなっていた…
「私を…お…いていくなよ……」
シーザーは冷たくなったライアの体を…抱きしめた…