満月の日…
…ライアに会える…しかし…心は晴れなかった…
あの日以来…クロウとは一言も口を聞いていなかったからだ…
湖に写る月を見ながら…ライアを待っていた…
「………」
「どおしたの???」
気がつくと…ライアが顔を覗き込んでいた…
「何もないよ…」
そういうと…同時にライアを抱き込んだ…
(ライアのそばにいれば…忘れられる…)
「一緒に暮らさないか??」
ライアは驚いた
「なんで??」
「好きだから…」
「それ…だけ…???」
ライアに見透かされているようだった…
「………」
「いいよ…いっしょ…」
「えっ??」
シーザーは驚いた…
確かに一緒に暮らせるのは…嬉しい…だが…それは…お互い…身分を捨てるということ…………………
自分はいいが…ライアは…
一時の気の迷いで自分勝手にいった言葉を呪った…
「ダメだ!!ライア…ごめん!!お前を不幸にできない!!!」
「ふこう??」
ライアは首を傾げて続けた…
「シーザーまちがってる…シーザーといる…たのしい…しあわせ…」
シーザーは思いがけない言葉に…驚いたのと同時に嬉しかった…そして…決意した…
「次の満月の夜…地の国へ行こう…あそこなら二人で暮らせる…」
「うん…」
シーザーは今すぐにでも行きたかったが…一国の王として…やらなければいけないことがあった…
それはライアも同じだった…
「満月の夜に…」