「高卒ですか。では、水野倭さん?あなたの夢は何ですか?」
 

白髪の交じった面接官は落ち着き払った口調で問う。
 

「はい。特に夢は持っていません。強いて言えば幸せな老後ですかね」
 

あはは、と面接官は笑う。
 

「夢はありませんか。それは困りましたねぇ。夢を持つことはいいことですよ。えー、では次、榊麻衣さん。夢は?」
 

そんな、他愛もない話を横目に、倭は窓の外を面接官の肩越しに眺める。
 

ココも落ちたな・・・。これで今日は六度目だ。


そろそろ夕闇が訪れる時刻。


今日の夕飯何にするかなぁ・・・。


そんなことを考えていると、次の質問が来た。