「あ!美桜おはよっ」
「・・・・おはよ。」
いつの間に寝ちゃったんだろう・・・。
転がっていたはずの缶チューハイは
片付けられている。
雑魚寝したはずが、
ふかふかのベッドの上。
「美桜今日の講義何時から?」
「・・っあ・・・忘れてた!」
優雅にコーヒーをすする愛未の周りを
バタバタと慌ただしく動き回る。
「行ってきまぁ〜す!!!」
「はいよ〜。」
笑顔で片手をヒラヒラと振る愛未を
消すように玄関を閉めた。
「ったくぅ・・・」
愛未は頬杖をついて
力任せに閉められた玄関のドアに
向かって微笑した。
「も〜こんな日に限って・・・・」
今日の講義は校内でも有名な
厳格な教授で、頑固で話が通じない。
遅刻なんてすれば、
義務教育かよってくらいに
生活指導だの何だのと
ひたすら説教をかます面倒な教授なのだ。
掲示板を見る暇もなく、
全速力で講堂へ向かう。
「遅れました!」
広い講堂内に響き渡る声。
あ、れ・・・?
誰もいない。
きっちり閉められたカーテンの縫い目から
零れる光だけで
ようやく見れるだけの暗い講堂。
「美桜ちゃん?」
思いがけず話しかけられ、
振り返ると
そこには同じ学部に通う君島さんがいた。
「君島さん!」
君島沙織(きみじまさおり)
すれ違えば挨拶する程度の仲。
その君島さんが初めて
私に話しかけてきた。

