ひみつ




「駿河先生は何歳ですかー?」



クラスの女子が質問した。



「何歳に見える?」



スーツを隙なく着こなした先生は意地の悪い笑みを浮かべた。



「30!」



「いま言ったのだれだ?すぐに名前覚えてやる」



クラスが笑いに包まれる。



「29」「28」「27」



「当てる気ねぇだろおまえら」



「25」



あたしはただぼんやりとつぶやいただけだった。



だけど先生はあたしの方を見て、ほほえんだ。



「正解!おまえ、名前は?」



「……清水果歩」



「果歩な。おまえら果歩を見習えよ」



果歩。



先生に下の名前で呼ばれたことなんてなかった。



わかってたよ。



あたしだけがトクベツってわけじゃないこと。



でも、うれしくて、少しドキドキした。



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