「美穂、ありがとなっ」

そう言ったときには、もう電車は出発していた。

美穂の顔は見えなかったけど、ありがたかった。

美穂は知ってたのか。

確かに、美穂の部屋は隣だから…

ベランダでの会話が聞こえていたのかも知れないな。

美穂の窓からも見えるし…

「恥ずかしいな。」

俺は一人呟きながらも

窓際に座り込んだ。

東京に着くまで、俺は深い眠りについた。

今度の夢は

ずっと何かに追われている

恐い夢だった。