心臓はバクバクで、内心ヒヤヒヤだった。

誰かに見つかれば

不法侵入だとか

泥棒だと思われても

仕方がない。

そう思うと

息すら出来なかった。

意外にも簡単に

お目当ての物を見付けた。

“あいつの家族が住む東京の住所”と“家族の写真”

野獣と、まだ若い奥さんと、赤ん坊。それと…

野獣とよく似た男が1人、写真に写っていた。

兄さんか誰かか?

まあ、いい。考えている暇は無い。

俺はまた静かにベランダに戻った。

成功…。

俺はやっと深く息をついた。