俺はふと

青山の訴える目を思い出した。


こういう事か。


青山は全部知ってたんだ

妊娠してる事もきっと

確実にあの

野獣の子供だろ?

けど今ここで俺がそんな事言ったら

青山のお母さんは
狂っちまうよ。

「すみません、すぐに検査を受けます。だから休んで下さい。」

そういってロビーの椅子に座らせなだめた。

飲物を買ってくると言って

俺は青山の所へ行った。


「篠崎くん、お母さんは」

「今下で休んでる。とりあえずアイツの事は母さんに言ってないから。」

「…ごめん。」

やっぱりお母さんにはアイツの事は隠してたのか。

面会時間が終わりのチャイムが鳴った。

「また来るから、お母さんも連れて帰る。」

「ごめん」