偶然にしては違和感がありすぎた。

いつも通り洗濯物を干していた青山は、俺を見て、急に真顔になった。

「そこ、篠崎くんの家?」

「うん、俺の家。そこは、青山さんの家じゃないよね?」

「…。」

これが1年見つめ続けて来た青山との、記念すべき初めての会話となった。

分かりきった事を聞く俺は最低だと思うけど

直接青山から聞いてみたかった。

「今日、彼氏いないんだね?」

本当は知ってんだ。

単身赴任のあの男はたまに、家族のもとに帰るから

青山は合鍵で部屋に入って、家事をしながら待ってる時がある。

俺はその時を見計らって

今日初めて

俺の存在を示した。