その時チラッと目が合って俺は焦ったけど

青山は俺の事なんて知らないから、幸せそうに笑ってた。

その幸せそうな顔が

本当に可愛くて

俺はア然とした。

隣にいるのは30半ばのおっさんだぜ?

「ありえねー」

そう思いながらも約1年

日曜になるたびにカーテンの隙間から

お前がいるのを見て来た。

高校3年になって同じクラスになったけど

一言も話さないまま夏になって

俺は初めて

自分の存在に気付いて欲しい

そう思うようになった。

そしてある日の朝、お前がベランダに出たのを見て

俺もベランダに出たんだ。