あれ以来、青山がアパートに来ることは無くなった。

ひたすら予備校に通って

青山の事は考えないようにした。

「あんなバカ男、好きになったヤツが悪いんだ」

そう思った。

あんな野獣、人じゃねーよ。そう思った。

きっと青山だって目が覚めたハズだ。

「ただいまー」

妹の美穂が帰宅して

ムシャクシャしてた俺は野獣の事を聞いた。

「お前まさか、また野獣に送ってもらったのか?」

美穂は意味不明な顔をした。

「野獣て誰?」

「高橋とかいう塾の講師だよ。」

「は?よく覚えてたね、でもあの先生はもうこっちにいないよ。」

「何でだよ」