「大丈夫?」

「うん、ごめん」

「いや、俺こそ海なんか誘ってごめん」

「そんな事」

濡れた服も、帰り道で大分乾いた。

「やっぱ青山の家まで送ろうか?」

「いい、今日はここに泊まる。」

「そっか、じゃあオヤスミ」

そう言って俺は自分の家に入ろうとしたけど

海で泣いてた青山の顔を思い出して

一人じゃ何かしかねない

そう思って、急いでアパートの階段を駆け登って

ドアを叩いた。

「ナオちゃんっ」

青山が抱きしめたのは

もちろんナオちゃん
じゃない

ごめんな

「篠崎くんっごめんっ」