青山はサンダルを脱ぎ捨てて、海に入っていった。

「おい、服濡れてるぞ」

「良いの、すぐ乾くよ」

「いや、入りすぎだろ」

俺がそう言った頃には、青山はすでに腰まで浸かっていた。

「青山、本当にヤバイって。」

どんどん入って行く青山を、焦って捕まえた。

「やめてっ」

「おい、何言って」

「もう嫌なのっ」

俺はビックリした。

「やっぱり辛いよ」

青山はまた泣き出した。

「会いたいって言ったけど。ナオちゃん会ってくれないし。」

「それは忙しいから」

「違う、避けてるのよ」

「そんなこと無いって」

俺はどうしようも無くなって、腕を引っ張って青山を抱きしめた。

「なんで泣くんだよ」

青山は震えていた。